発売日: 2013年2月5日
ジャンル: サイケデリックロック / インディーロック / ソウル
「II」は、Unknown Mortal Orchestra（以下UMO）のセカンドアルバムであり、デビュー作「Unknown Mortal Orchestra」で確立したサイケデリックなローファイサウンドに、さらに感情的で内省的な要素を加えた一枚だ。このアルバムでは、フロントマンのルーベン・ニールソンが、孤独や葛藤、愛について掘り下げ、彼自身のパーソナルな経験を色濃く反映させている。
サウンド面では、ヴィンテージ感のあるギターリフとソウルフルなメロディが特徴であり、より温かく、感情的なトーンが前作との違いを際立たせている。特に「Swim and Sleep (Like a Shark)」や「So Good at Being in Trouble」は、UMOの音楽的進化を象徴する名曲としてリスナーに強く訴えかける。
各トラック解説
1. From the Sun
アルバムの幕開けを飾るミッドテンポのトラック。穏やかなギターと切ない歌詞が特徴で、孤独と自分探しをテーマにしている。
2. Swim and Sleep (Like a Shark)
アルバムのハイライトとも言える名曲。美しいメロディと夢見心地のサウンドが心に響き、解放感と共にどこか物悲しさも漂う。
3. So Good at Being in Trouble
シンプルな構成ながらも感情を揺さぶる一曲。ソウルフルなボーカルと温かみのあるギターサウンドが、UMOの新たな側面を示している。
4. One at a Time
躍動感のあるビートとファズの効いたギターが印象的なトラック。ダークな雰囲気を持ちながらも、中毒性のあるメロディが際立つ。
5. The Opposite of Afternoon
サイケデリックなアレンジが光る楽曲。複雑なギターワークと浮遊感のあるサウンドスケープが魅力的。
6. No Need for a Leader
アップテンポでエネルギッシュなトラック。ローファイなギターとリズミカルなドラムが印象的で、ライブでも盛り上がる一曲。
7. Monki
7分を超える長尺のトラックで、ジャムセッションのような雰囲気が漂う。瞑想的でスローテンポな展開が聴き手を深い世界へと誘う。
8. Dawn
短いインストゥルメンタルトラック。アルバム全体のムードを補完する静かなインタールードとして機能している。
9. Faded in the Morning
キャッチーなリフと勢いのあるビートが際立つトラック。ダンスフロアでも映えるポップなエネルギーが満載。
10. Secret Xtians
アルバムを締めくくるメランコリックなトラック。繊細なギターと柔らかなボーカルが印象的で、深い余韻を残す。
アルバム総評
「II」は、Unknown Mortal Orchestraが感情的かつ音楽的な深みをさらに追求した作品であり、彼らの進化を強く感じさせる一枚だ。デビュー作のローファイなサウンドを基盤にしながらも、より温かみのあるメロディと内省的な歌詞が際立ち、リスナーに強い共感を呼び起こす。「Swim and Sleep (Like a Shark)」や「So Good at Being in Trouble」のようなトラックは、バンドの音楽的アイデンティティを確立すると同時に、新たな可能性を示した名曲である。
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