発売日: 1992年6月23日
ジャンル: ダンスロック、ニューウェーブ、ポップロック
「Good Stuff」は、The B-52’sが1992年にリリースした6作目のスタジオアルバムで、ヒット作「Cosmic Thing」の成功を受けて制作された作品である。Cindy Wilsonがバンド活動を一時離れたため、Fred SchneiderとKate Piersonのデュオ体制で制作された本作は、バンドのこれまでの楽しいエネルギーとダンサブルなリズムを継承しつつ、ファンクやソウルの要素をより強く打ち出している。
プロデューサーには、Don Was(Was (Not Was))を再び起用し、リッチで洗練されたサウンドを構築。タイトル通り「Good Stuff」に満ちた楽しい楽曲が並ぶ一方で、Cindy Wilsonの不在がバンドのサウンドに微妙な変化をもたらし、前作ほどの大ヒットには至らなかった。しかしながら、アルバムには「Good Stuff」や「Hot Pants Explosion」といったバンドのライブでも人気の楽曲が収録されており、ダンスミュージックとしての価値は高い。
トラック解説
- Tell It Like It T-I-Is
アルバムの幕開けを飾るアップテンポなトラック。ヘヴィなギターリフとエネルギッシュなボーカルが際立ち、ダンスフロア向けの一曲だ。 - Hot Pants Explosion
シュールでユーモアあふれる歌詞と、ファンキーなリズムが特徴の楽曲。バンドの遊び心とエネルギーが全開で、ライブ映えするナンバー。 - Good Stuff
アルバムのリードシングルで、タイトル曲にふさわしい楽しい雰囲気が満載。ファンク色の強いグルーヴとKate Piersonのソウルフルなボーカルが印象的。 - Revolution Earth
アルバムの中でも穏やかでメランコリックなトラック。環境問題をテーマにした歌詞が深みを与え、ゆったりとしたリズムが心地よい。 - Dreamland
幻想的でサイケデリックな雰囲気を持つ一曲。Kate Piersonのボーカルが際立ち、楽曲にミステリアスな魅力を加えている。 - Is That You Mo-Dean?
エレクトロポップの要素が強いユーモラスなトラック。奇妙なキャラクター「Mo-Dean」をテーマにした歌詞とキャッチーなメロディが特徴的。 - The World’s Green Laughter
明るく軽快な楽曲で、エコロジーをテーマにした歌詞が特徴的。バンドの社会意識を感じさせるトラックだ。 - Vision of a Kiss
スローで情感豊かなメロディが際立つバラード風のトラック。Kate Piersonのボーカルが楽曲をドラマチックに彩っている。 - Breezin’
陽気で軽快な楽曲で、ファンキーなギターとリズムが楽しい一曲。ドライブにぴったりな爽快感がある。 - Bad Influence
アルバムの締めを飾るグルーヴィーなトラック。ダークなサウンドが他の楽曲と一線を画し、アルバム全体を引き締めている。
アルバム総評
「Good Stuff」は、The B-52’sがダンスロックとファンクを融合させたエネルギッシュな作品であり、タイトルの通り「良いもの」に満ちたアルバムである。Cindy Wilsonの不在が全体のサウンドに影響を与えているものの、Kate PiersonとFred Schneiderの掛け合いによる楽曲は、従来のバンドのファンを楽しませるだけの魅力を持っている。
「Good Stuff」や「Hot Pants Explosion」などの楽曲は、シングルとしても楽しめるキャッチーさを備えており、ダンスフロアで盛り上がること間違いなし。前作「Cosmic Thing」のような商業的成功には至らなかったが、The B-52’sらしいポップで風変わりなエッセンスが詰まった一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Cosmic Thing by The B-52’s
前作であり、商業的成功を収めた名盤。ダンサブルでポップな楽曲が多い。
Freedom of Choice by Devo
ファンキーなリズムとエレクトロポップの融合が、「Good Stuff」と共通するエネルギーを持つ。
Like a Virgin by Madonna
Nile Rodgersがプロデュースしたアルバムで、ディスコとポップの要素が楽しめる。
Rio by Duran Duran
ダンサブルなニューウェーブアルバムで、The B-52’sの軽快なサウンドに通じる作品。
Speaking in Tongues by Talking Heads
ファンクとポップの要素を融合した作品で、The B-52’sのファンにおすすめの一枚。
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