発売日: 2017年3月3日
ジャンル: ポップ、フォーク、アコースティック、R&B
÷ (Divide)は、Ed Sheeranが自身の音楽の幅を広げ、これまで以上に多彩なサウンドとテーマを取り入れた3枚目のスタジオアルバムである。彼のシンガーソングライターとしての才能がさらに磨かれ、ポップ、フォーク、R&B、ヒップホップなど、異なるジャンルを巧みに融合させた楽曲が詰まっている。Sheeranはこのアルバムで、個人的な経験や家族への愛、旅や異文化への興味など、さまざまなテーマを扱っており、彼の音楽的なレンジと表現力の幅が広がっている。
アルバムのリリースに合わせて、Sheeranはシングル「Shape of You」と「Castle on the Hill」の2曲を同時に発表し、瞬く間に世界中で大ヒットを記録。両曲は異なるスタイルでありながらも、彼の音楽的な多様性と革新性を示すものとなった。また、このアルバムは全体を通じて、Ed Sheeranが自身の音楽に新しいエネルギーを注ぎ込み、聴き手に新鮮な体験を提供している。
トラックごとの解説
1. Eraser
アルバムの幕開けを飾るアップテンポな楽曲で、Sheeranの速いラップとアコースティックギターが融合している。名声やプレッシャー、自己の葛藤をテーマにした歌詞が、彼の内面に迫る。リズミカルなビートが心地よく、スタートにふさわしい一曲。
2. Castle on the Hill
ノスタルジックな雰囲気が漂うパワフルなアンセムで、故郷とそこにある思い出を振り返る内容が歌われている。疾走感のあるメロディとエモーショナルな歌詞が、青春時代の懐かしさと共感を呼び起こす。
3. Dive
恋愛における真剣な感情とリスクをテーマにしたバラードで、彼の感情が込められたボーカルが美しく響く。シンプルなギターとソウルフルなメロディが、聴く者の心に深く響く。
4. Shape of You
トロピカルなビートとポップなメロディが印象的な、グローバルなヒット曲。恋愛をテーマに、恋人に惹かれる感情をシンプルかつダンサブルに表現している。彼の新しいサウンドの挑戦が見られる一曲。
5. Perfect
純粋なラブソングで、恋人への愛情を率直に歌った感動的なバラード。シンプルで美しいメロディが特徴で、結婚式の定番曲としても人気が高い。Sheeranの優しいボーカルが、愛の深さを感じさせる。
6. Galway Girl
アイルランドの伝統音楽をポップにアレンジしたアップビートな曲で、アイルランド人女性との恋愛をテーマにしている。バイオリンとギターのリズミカルな音が、異国情緒を漂わせている楽しい一曲。
7. Happier
失恋の痛みを描いたバラードで、元恋人が幸せにしている姿を見つめる切ない心情が表現されている。メランコリックなメロディとSheeranのボーカルが、心に残る哀愁を漂わせている。
8. New Man
失恋後の元恋人が新しい恋人といる様子に対する複雑な感情をユーモラスに描いた楽曲。軽快なビートとラップスタイルの歌唱が面白く、彼の遊び心と多様な表現力が光る。
9. Hearts Don’t Break Around Here
穏やかでロマンチックなラブソングで、恋人への深い愛情が歌われている。優しいギターメロディと柔らかなボーカルが、愛の温かみを伝える一曲。
10. What Do I Know?
シンプルで楽観的なメッセージソングで、愛と音楽が世界を変える力を持つと歌っている。ポップで軽快なサウンドが心地よく、ポジティブなメッセージが聴く者に元気を与える。
11. How Would You Feel (Paean)
クラシカルでエレガントなバラードで、恋人への感謝と愛情が率直に表現されている。ピアノとギターがシンプルに奏でられ、Sheeranのボーカルが感情を丁寧に伝える。
12. Supermarket Flowers
母親に捧げた感動的なバラードで、家族への愛と喪失の痛みがテーマとなっている。ピアノの伴奏が美しく、Sheeranの歌詞が心に染み入る一曲で、彼のパーソナルな一面が感じられる。
13. Barcelona
スペインをテーマにした異国情緒あふれる曲で、軽快なビートとスペイン語の歌詞が登場するユニークな楽曲。旅行中の楽しさや解放感が伝わり、聴いているだけで旅に出たくなる。
14. Bibia Be Ye Ye
アフリカのリズムが取り入れられた陽気なトラックで、タイトルは「Everything will be alright（すべてうまくいく）」という意味。楽しいビートとエネルギッシュなサウンドが、リスナーにポジティブなエネルギーを与える。
15. Nancy Mulligan
アイルランド民謡の要素が強い曲で、祖父母のラブストーリーを語った楽しい一曲。バイオリンやアコーディオンが奏でる伝統的なサウンドが楽曲にユニークさを与え、家族愛が感じられる。
16. Save Myself
アルバムを締めくくる自己探求のバラードで、自己犠牲や自己愛について考える深い内容が歌われている。シンプルなピアノの伴奏が、Sheeranのボーカルとメッセージ性を引き立て、聴き手に感動を残す。
アルバム総評
÷ (Divide)は、Ed Sheeranが多様なジャンルとテーマを探求し、ポップミュージックの枠を超えた作品である。トロピカルな「Shape of You」やアイルランドの伝統音楽に触発された「Galway Girl」、心に染みるバラード「Perfect」など、彼の音楽の幅広さと柔軟性がアルバム全体を通して表現されている。愛、失恋、家族、自己探求といったテーマが詩的でありながらも親しみやすく、Sheeranのリアルな人生経験がリスナーに共感を呼ぶ。
また、このアルバムは商業的にも大成功を収め、Sheeranの世界的な人気を確固たるものにした。聴き手にとって感動や喜び、ノスタルジアを感じさせる一枚であり、彼の音楽的成長と多面的な才能を見せる作品となっている。Divideは、Ed Sheeranがシンガーソングライターとしての頂点に立ちながらも、さらなる進化を遂げ続けていることを示す一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Fine Line by Harry Styles
ロマンチックでエモーショナルなポップロックアルバムで、Sheeranと同じく様々な感情が描かれている。
Unorthodox Jukebox by Bruno Mars
ポップ、ソウル、ファンクを融合させたバラエティ豊かなアルバムで、Sheeranの多様な音楽スタイルが好きなリスナーにおすすめ。
Flicker by Niall Horan
アコースティックとポップの融合が心地よい作品で、感情豊かなバラードが楽しめる。
x (Multiply) by Ed Sheeran
Sheeranの2枚目のアルバムで、ポップとフォーク、R&Bを融合したスタイルがDivideの前作として楽しめる。
In the Lonely Hour by Sam Smith
愛と喪失をテーマにしたバラード中心のアルバムで、感情的な表現が好きなリスナーにおすすめ。
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