発売日: 2017年6月9日
ジャンル: ベッドルームポップ / インディーポップ / ドリームポップ
Careは、アメリカのベッドルームポップアーティストTemporexによるデビューアルバムであり、インディーシーンでカルト的な人気を誇る作品だ。このアルバムは、DIY精神に溢れたシンプルながらも感情的なサウンドで、10代の青春、愛、そして孤独感を鮮やかに描き出している。
わずか21分という短いアルバムながら、その中に収録された8曲はすべてが独自の個性を持ち、聴き手をTemporexの内省的でユニークな音楽世界に引き込む。リズミカルでメロウなシンセ、穏やかなボーカル、遊び心のある歌詞が特徴的で、全体を通してローファイな質感が感じられる。SpotifyやYouTubeを通じて人気を拡大し、特に「Nice Boys」のような楽曲は、彼の名を一躍広めた代表曲となった。
トラック解説
1. Nice Boys
アルバムを象徴するトラックで、キャッチーなシンセラインと軽快なリズムが特徴。恋愛の甘酸っぱさを歌った歌詞と、Temporexの柔らかなボーカルがリスナーに心地よい印象を残す。
2. Care
アルバムタイトル曲で、穏やかで優しいメロディが心に染み入る一曲。愛されること、そして誰かを愛することの大切さをテーマにしている。
3. Hi
わずか1分40秒の短い楽曲だが、愛嬌のあるメロディとポップなアレンジが耳に残る。シンプルなリリックが逆に深い感情を伝える。
4. Lost in a Flower Field
幻想的なシンセサウンドとリラックスしたリズムが特徴の楽曲。夢のような世界観が広がり、タイトル通り花畑に迷い込んだような気分になる。
5. Daydream
テンポの速いドリームポップトラックで、浮遊感のあるメロディが心地よい。青春の無邪気さや空想に浸る瞬間を描いている。
6. Nice Boys Reprise
1曲目「Nice Boys」の再解釈版で、シンセのループとミニマルなビートが印象的。オリジナル版とは異なる緩やかなテンポが魅力。
7. The Right Place
内省的な歌詞とノスタルジックなメロディが特徴の楽曲。アルバムの中で最も感情的なトラックの一つで、Temporexのパーソナルな一面を垣間見ることができる。
8. Vacant Eyes
アルバムを締めくくるスローバラードで、シンプルなピアノと切ない歌詞が心に響く。孤独や不安を静かに歌い上げる一曲で、アルバム全体に余韻を残す。
アルバム総評
Careは、Temporexがシンプルなサウンドの中で深い感情を表現した、現代のインディーポップの隠れた名作だ。ローファイでミニマルなプロダクションは、Temporexが自身の感情をリスナーに親密に伝える手段となっている。
特に「Nice Boys」や「Lost in a Flower Field」のような楽曲は、軽快でありながらもどこか物悲しさを感じさせ、Temporexの多面的な音楽性を示している。アルバム全体を通して、シンプルな構成の中に深い感情が込められており、リスナーに強い印象を与える。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
What’s for Dinner? by Kero Kero Bonito
ローファイでキャッチーなポップソングが揃い、Temporexファンに響く作品。
Apricot Princess by Rex Orange County
感情的でメロウなインディーポップの名盤で、Temporexのサウンドと親和性が高い。
Zaba by Glass Animals
ドリーミーでユニークなプロダクションが魅力のアルバムで、Careの幻想的な雰囲気に通じる。
Bcos U Will Never B Free by Rex Orange County
DIY精神溢れるローファイポップで、Temporexのリスナーに刺さる一枚。
Blonde by Frank Ocean
内省的で感情豊かなアルバムで、Careの内面的なテーマとリンクする作品。
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