1. 歌詞の概要
「Believe You’re Mine」は、アメリカのオルタナティヴ・ロックバンド、Nada Surfが2016年に発表した8作目のスタジオ・アルバム『You Know Who You Are』に収録された楽曲である。
この曲は、“信じたいのに信じきれない恋心”や、“不安と希望がせめぎ合う愛の中間地点”を描いた、切なくも誠実なラブソングである。
歌詞の主人公は「君が僕のものだと信じたい」「君の愛を疑わずにいたい」と願いながらも、心のどこかで不安や疑念が消しきれずにいる。その心の揺れや愛への執着、信じることの難しさといった人間らしい感情が、穏やかなメロディとともに静かに描かれている。
2. 歌詞のバックグラウンド
Nada Surfは、90年代のデビューからキャリアを重ね、成熟したサウンドと内省的な歌詞で知られるバンドへと進化してきた。「Believe You’re Mine」はその集大成ともいえる1曲であり、メンバー自身の経験や、長く続く関係のなかで生まれる“信じること”の尊さと難しさが反映されている。
『You Know Who You Are』は、バンドとしても個人としても“素直な自分”“ありのままの感情”を見つめ直すことをテーマにしたアルバムであり、この曲もまた「揺れ動く感情に寄り添う」というスタンスを貫いている。
3. 歌詞の抜粋と和訳
以下は「Believe You’re Mine」の印象的な歌詞の一部と和訳である。
引用元: Genius – Nada Surf “Believe You’re Mine” Lyrics
If you leave, I’ll be running after you
もし君がいなくなったら、僕は君を追いかけてしまうだろうI believe you’re mine
君は僕のものだと信じているBut sometimes, I wonder why I do
でも時々、なぜそう信じているのか分からなくなるAll my doubts, I keep inside
すべての疑念を心の中にしまい込んでTell me I’m right, tell me I’m right
僕が正しいと、そう言ってほしい
4. 歌詞の考察
「Believe You’re Mine」は、“愛する人を信じたいのに、不安が消えない”という切ない心情を繊細に描いている。“もし君がいなくなったら、僕は君を追いかけてしまうだろう”という一節には、愛への強い執着と、離れることへの恐れがにじむ。
“君は僕のものだと信じている／でも時々、なぜそう信じているのか分からなくなる”というフレーズには、恋愛や長い関係で誰もが一度は感じる「自信と不安の間」の葛藤が、等身大の言葉で表現されている。
サビの“Tell me I’m right, tell me I’m right（僕が正しいと、そう言ってほしい）”という繰り返しには、相手への信頼を確かめたいという切実な願いと、自己肯定感の揺らぎが共存している。
淡いメロディと優しいバンドアンサンブルが、こうした複雑な感情を包み込むように響き、リスナーの心にも“信じることの美しさと痛み”を静かに伝えてくれる。
※ 歌詞引用元：Genius – Nada Surf “Believe You’re Mine” Lyrics
5. この曲が好きな人におすすめの曲
「Believe You’re Mine」のように、“信じることの難しさ”“恋愛の不安”“等身大のラブソング”をテーマにしたオルタナ／インディーロックの名曲をいくつか紹介したい。
- Set the Fire to the Third Bar by Snow Patrol
距離や不安、愛への切実な思いを美しく描くバラード。 - Fake Plastic Trees by Radiohead
理想と現実の間で揺れる愛の切なさを叙情的に表現した名曲。 - Yellow by Coldplay
無償の愛や、相手への一途な思いを瑞々しく歌い上げる。 - Inside of Love by Nada Surf
愛への渇望や孤独、不安に寄り添うバンドの代表的バラード。 - Always Love by Nada Surf
迷いや不安のなかでも「愛を信じて選び続けること」の大切さを歌う。
6. “信じることの痛みと希望” 〜 Nada Surfと「Believe You’re Mine」の余韻
「Believe You’re Mine」は、“信じたいのに信じきれない”という、恋愛や人間関係において誰もが抱く弱さと美しさを、等身大のまま優しく歌い上げた名曲である。
相手を信じることの喜びと苦しみ、そして「信じてほしい」「確かめたい」という人間の切実な願いを、淡く誠実なサウンドで包み込んでいる。
Nada Surfの「Believe You’re Mine」は、恋や愛に悩む夜、静かに寄り添ってくれる現代のラブソングだ。
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