発売日: 2020年2月7日
ジャンル: シンセポップ、ニューディスコ、エレクトロポップ
La Rouxの3枚目のアルバム『Supervision』は、Elly Jacksonが音楽業界の流れに縛られることなく、自らのペースで完成させたセルフプロデュース作品である。前作『Trouble in Paradise』から6年を経てリリースされた本作では、ニューディスコやファンクを基調とし、よりミニマルでリラックスしたサウンドが展開されている。
アルバム全体を通じて、シンセサイザーとグルーヴィーなビートがメインとなり、シンプルな構成でElly Jacksonのボーカルが際立つ。歌詞は恋愛や自己発見といったテーマを中心に、彼女のパーソナルな体験が反映されている。派手さは控えめだが、その分、成熟したアーティストとしての落ち着きと自信が感じられるアルバムだ。
トラック解説
1. 21st Century
アルバムの幕開けを飾る軽快なトラックで、シンプルなビートとシンセラインが特徴的。歌詞では、現代社会の矛盾や複雑さを描き出している。
2. Do You Feel
リズミカルなベースラインと明るいメロディーが印象的な楽曲。恋愛の駆け引きをテーマにした歌詞が、軽やかなサウンドとマッチしている。
3. Automatic Driver
アルバムを代表するシングル曲で、恋愛におけるコントロールや無力感をテーマにしている。ドリーミーなシンセサウンドと心地よいグルーヴが特徴。
4. International Woman of Leisure
ファンクとディスコの影響を色濃く受けたグルーヴィーなトラック。自由をテーマにした歌詞とリズミカルなビートがリスナーを引き込む。
5. Everything I Live For
リズムとメロディーが緩やかに展開する楽曲で、内省的なテーマを歌詞で掘り下げている。Elly Jacksonのボーカルが特に際立つ一曲。
6. Otherside
穏やかなトラックで、アルバムの中でも特に感情的な楽曲。シンセサウンドが柔らかく広がり、歌詞のテーマに深みを与えている。
7. He Rides
ミッドテンポのリラックスした曲調が特徴で、ギターの音色がシンセサウンドに溶け込むようなアレンジが印象的。
8. Gullible Fool
アルバムのラストを飾るドラマチックなトラック。エモーショナルなボーカルと壮大なサウンドスケープがアルバム全体を締めくくる。
アルバム総評
『Supervision』は、La Rouxが持つシンセポップの魅力をさらに洗練させた一枚である。派手なプロダクションは控えめながらも、曲ごとに異なるリズムとグルーヴが展開され、シンプルで成熟した音楽性が際立つ。「Automatic Driver」や「International Woman of Leisure」は、キャッチーでありながら深みのある楽曲としてアルバムのハイライトとなっている。本作は、派手さを追求せず、アーティストとしての自由と独自性を前面に押し出した作品として評価されるだろう。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Jessie Ware – What’s Your Pleasure?
ニューディスコとソウルフルなエレクトロポップが融合したアルバムで、『Supervision』のファンに最適。
Christine and the Queens – Chris
洗練されたシンセポップと感情的な歌詞が、『Supervision』のスタイルと共鳴する。
Róisín Murphy – Róisín Machine
ファンクやディスコの要素を取り入れたエレクトロポップの名盤で、La Rouxの音楽性と相性が良い。
Goldfrapp – Silver Eye
ダークでムーディーなエレクトロサウンドが、『Supervision』の洗練された一面に共通する。
Tame Impala – The Slow Rush
ディスコやエレクトロニカを融合したサウンドが、『Supervision』のリラックスした雰囲気にマッチする。
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