発売日: 1970年6月3日
ジャンル: ハードロック、ヘヴィメタル
アルバム全体の印象
「Deep Purple in Rock」は、Deep Purpleがリリースした4枚目のスタジオアルバムであり、バンドがハードロックへと大きく舵を切った転機の作品である。リッチー・ブラックモアの鋭いギターリフ、ジョン・ロードのヘヴィなオルガン、イアン・ギランの圧倒的なボーカル、ロジャー・グローヴァーのベース、そしてイアン・ペイスのドラミングが一体となり、後のハードロック/ヘヴィメタルシーンに多大な影響を与えた。
このアルバムは、1969年に結成された第2期Deep Purpleの初フルアルバムであり、前作までのサイケデリックロックやアートロックからの脱却を示している。リッチー・ブラックモアとジョン・ロードのソロバトルや、ギランのシャウトを含む圧倒的なパフォーマンスは、アルバム全体に攻撃的かつドラマチックな印象を与えている。
特に「Speed King」「Child in Time」のような楽曲は、アルバムを象徴する名曲として知られており、バンドのダイナミックな演奏力と作曲センスが存分に発揮されている。「Deep Purple in Rock」は、ハードロックの礎を築いた名作として、現在でも多くのリスナーに愛されている。
各曲解説
1. Speed King
アルバムの幕開けを飾るエネルギッシュなトラック。リッチー・ブラックモアの爆発的なギターリフとイアン・ギランのシャウトが融合し、ハードロックの新時代を告げる象徴的な楽曲となっている。歌詞には、ロックンロールのアイコンへのオマージュが込められている。
2. Bloodsucker
ダークでヘヴィなリフが特徴の楽曲。ギランの力強いボーカルとリッチー・ブラックモアのギターソロが印象的で、攻撃的なサウンドが際立つ。
3. Child in Time
アルバムを代表する10分を超える大作。静かなイントロから、ギランの感情的なボーカルと壮大なクライマックスへと展開される。ジョン・ロードのオルガンとリッチー・ブラックモアのギターソロが楽曲をさらに盛り上げ、戦争と人間の愚かさをテーマにした歌詞が深い印象を与える。
4. Flight of the Rat
スピーディーでグルーヴィーな楽曲。ペイスのドラムが楽曲をリードし、リッチー・ブラックモアのギターとジョン・ロードのオルガンの掛け合いがスリリングだ。
5. Into the Fire
重厚なリフが楽曲の主軸を成す一曲。イアン・ギランの荒々しいボーカルがエネルギーを与え、全体的に直球勝負のハードロックが楽しめる。
6. Living Wreck
陰鬱でミステリアスなムードが漂うトラック。ジョン・ロードのオルガンサウンドが楽曲に深みを与え、リズムセクションがグルーヴ感を強調している。
7. Hard Lovin’ Man
アルバムを締めくくる長尺の楽曲で、バンド全体の演奏力が際立つ一曲。ジョン・ロードのオルガンとブラックモアのギターソロが炸裂し、ギランのボーカルが楽曲を盛り上げる。
アルバム総評
「Deep Purple in Rock」は、Deep Purpleがハードロックバンドとしてのアイデンティティを確立した記念碑的なアルバムである。攻撃的なサウンド、卓越した演奏力、そして大胆な作曲が融合し、ハードロックの金字塔となる作品に仕上がっている。
「Speed King」や「Child in Time」はもちろん、アルバム全体を通じて聴けるダイナミックなアンサンブルは、当時のロックシーンにおけるDeep Purpleの圧倒的な存在感を示している。ハードロックやヘヴィメタルの起源を知りたいリスナーにとって必聴の一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
「Machine Head」 by Deep Purple
「Smoke on the Water」を含む名作。リッチー・ブラックモアとジョン・ロードの最高の瞬間が詰まっている。
「Paranoid」 by Black Sabbath
ヘヴィメタルの基本形を築いたアルバムで、「Deep Purple in Rock」と同時期のサウンドが楽しめる。
「Led Zeppelin II」 by Led Zeppelin
リフ主体の楽曲とハードロックの進化を示した名盤。ブルースとロックの融合が魅力。
「Sad Wings of Destiny」 by Judas Priest
ハードロックとヘヴィメタルの架け橋となった作品で、メロディとパワーの融合が楽しめる。
「Argus」 by Wishbone Ash
ツインギターとプログレッシブな要素が特徴的な作品。「Deep Purple in Rock」のファンにもおすすめ。
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