発売日: 2012年10月16日
ジャンル: インディーロック、ローファイ、ドリームポップ
Mac DeMarcoのセカンドアルバム『2』は、彼の音楽スタイルが確立された作品であり、スラッカーな雰囲気とリラックスしたムードが全編を通じて漂うアルバムだ。ローファイなプロダクションと、ゆるやかなギターリフ、どこか気だるげで飄々としたボーカルが特徴的で、インディーロックシーンに新たな風を吹き込んだ。彼のサウンドは、カジュアルで親しみやすく、時にシニカルで、日常の中にある感情や出来事を独自の視点で描いている。『2』は、軽やかな音楽スタイルの中に深みを感じさせる一枚だ。
各曲ごとの解説:
- Cooking Up Something Good
アルバムのオープニングを飾る、ゆったりとしたギターリフが印象的な楽曲。Macの気だるげなボーカルと、日常のささいな出来事を描いた歌詞が親しみやすい。彼独特の、ありふれた瞬間を面白おかしく捉える視点が特徴的だ。 - Dreamin’
ドリーミーで浮遊感のあるサウンドが心地よい一曲。Macの柔らかい歌声とシンプルなギターが絡み合い、幻想的な雰囲気を醸し出している。リズムはゆったりとしており、彼の音楽の持つリラックスしたムードがよく表れている。 - Freaking Out the Neighborhood
アップテンポでエネルギッシュな曲。Macの反抗的でシニカルな一面が垣間見えるが、軽快なギターリフとキャッチーなメロディが印象的で、明るく楽しい雰囲気を保っている。ファンの間でも人気の高い一曲。 - Annie
シンプルなアコースティックギターの伴奏と、控えめで温かみのあるボーカルが特徴のバラード。歌詞は恋愛をテーマにしており、切なさと優しさが混ざり合ったトーンが感じられる。Macの内省的な一面が伺える楽曲だ。 - Ode to Viceroy
Macの愛煙家としての姿をテーマにした、ゆったりとしたトラック。懐かしさを感じさせるギターリフと彼の淡々としたボーカルが、この曲のリラックスしたムードを高めている。個人的なテーマを軽いタッチで描きながらも、深い感情が滲み出る。 - Robson Girl
80年代風のポップなリズムが特徴的で、シンセサイザーのメロディが軽やかな雰囲気を作り出している。恋愛や若さのテーマをシンプルに描きながらも、どこか懐かしさと哀愁を感じさせる。 - The Stars Keep On Calling My Name
短くも軽快なギターリフが印象的な一曲。疾走感があり、ポップで明るいメロディが楽しい。歌詞は自由や冒険心を感じさせる内容で、全体的に軽やかで前向きなムードが漂っている。 - My Kind of Woman
『2』の中でも特に感情的で美しいラブソング。Macのボーカルは控えめでありながらも、どこか切ない響きを持ち、相手への思いが伝わる。ドリーミーなギターとゆったりとしたテンポが曲の甘さを引き立てている。 - Boe Zaah
インストゥルメンタルトラックで、エレクトリックギターのメロディが曲をリードする。リズムは緩やかで、どこかサーフロックの影響を感じさせる雰囲気が漂っている。 - Sherrill
シンプルで軽快なメロディが特徴の一曲。歌詞はロマンスと冒険をテーマにしており、明るくノスタルジックなトーンが漂っている。ギターリフが際立ち、Macらしいリラックスしたスタイルが楽しめる。 - Still Together
アルバムを締めくくるバラード。控えめなアコースティックギターと、温かみのあるボーカルが優しく響き渡る。愛と献身をテーマにした歌詞が感動的で、アルバム全体のテーマを総括するかのように、静かに終わっていく。
アルバム総評:
『2』は、Mac DeMarcoの個性的な音楽スタイルを確立した作品であり、ローファイなサウンドと軽やかなギターリフ、シンプルで心地よいメロディが魅力的だ。彼の音楽は、日常的なテーマや気だるいボーカルに独特の魅力があり、聴き手にリラックスした感覚をもたらす。『2』は、Mac DeMarcoのシグネチャーサウンドを築き上げたアルバムであり、インディーロックやローファイのファンにとって必聴の一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚:
- Salad Days by Mac DeMarco
『2』に続くアルバムで、より洗練されたローファイサウンドとメロディが特徴。リラックスしたムードと、シンプルでありながらも深みのある歌詞が楽しめる。 - Twin Fantasy by Car Seat Headrest
ローファイなプロダクションと、感情的な歌詞が印象的なアルバム。個人の内面や恋愛をテーマにした楽曲が、『2』のテーマと共鳴する部分が多い。 - Mellow Gold by Beck
スラッカー文化や実験的な音楽スタイルが融合した作品。ローファイなサウンドとユーモアあふれる歌詞が、Mac DeMarcoの音楽スタイルと共通点を持つ。 - B’lieve I’m Goin Down… by Kurt Vile
ゆったりとしたギターとシンプルなメロディが特徴的なアルバム。リラックスした雰囲気と、気取らない歌詞がMac DeMarcoファンにおすすめ。 - On the Beach by Neil Young
フォークとロックが融合した名盤で、リラックスしたサウンドと感情的な深みがある。Mac DeMarcoの音楽に影響を与えたとも言える作品。
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