発売日: 1966年
ジャンル: ガレージロック、ポップロック、ブルーアイドソウル
『You Make Me Feel So Good』は、The McCoysの2枚目のスタジオアルバムであり、彼らの初期のガレージロックのエネルギーと、よりポップで洗練されたアレンジが融合した作品だ。前作『Hang On Sloopy』の成功に続いてリリースされた本作は、バンドの若々しいエネルギーを保ちつつ、より成熟した音楽性を追求している。アルバム全体を通じて、キャッチーなメロディとシンプルなリズムが際立ち、ブルースやポップの要素が加わることで、The McCoysの音楽的な幅が広がっているのが感じられる。アルバムタイトル曲「You Make Me Feel So Good」をはじめ、各曲が楽しくリズミカルな雰囲気を持ち、60年代中期のロックシーンの空気を鮮やかに映し出している。
各曲ごとの解説:
- You Make Me Feel So Good
アルバムのタイトル曲であり、シンプルでキャッチーなギターリフが特徴的。軽快なテンポとコーラスが加わり、楽曲全体に明るく陽気なムードを与えている。ポップなメロディとロックンロールのエネルギーが融合し、The McCoysらしい若々しさを保っている。 - Say Those Magic Words
リズミカルでダンサブルなナンバー。ソウルフルな要素が取り入れられており、キャッチーなフックが印象的。コーラスが曲全体に明るさを加えており、楽曲の中でシンプルなロックサウンドに華を添えている。 - Drive My Car
ビートルズのカバー曲で、The McCoysならではの軽快なアレンジが加えられている。原曲のポップなエッセンスを残しながらも、バンドのエネルギッシュな演奏とヴォーカルが楽しめる一曲だ。 - Mr. Summer
この曲は、ブルースの影響を受けたスローテンポのナンバーで、軽やかなギターリフとソウルフルなボーカルが際立つ。シンプルな構成の中にも、バンドの演奏力がしっかりと感じられる楽曲だ。 - I Wonder If She Remembers Me
ポップなメロディと切ない歌詞が特徴のバラード。シンプルなギターアレンジとリズムセクションが、感情豊かなヴォーカルを引き立てている。恋愛をテーマにした歌詞が心に残る一曲。 - Sorrow
前作『Hang On Sloopy』にも収録されていたこの曲の再録バージョンで、再び切ないメロディが際立つ。シンプルなアレンジの中に、心に訴えるメロディが美しく響き、バンドの感情表現の巧みさが感じられる。 - Come On Let’s Go
エネルギッシュでスピード感のあるロックンロールナンバー。アップテンポなリズムとシンプルなギターリフが、The McCoysのライブパフォーマンスのダイナミズムを感じさせる。 - I Got to Go Back (And Watch That Little Girl Dance)
ファンキーなリズムが特徴のこの曲は、リズミカルなギターとボーカルが楽しい雰囲気を作り出している。ダンサブルなナンバーで、明るくポップなムードがアルバム全体にアクセントを加えている。 - You Got to Be Born Again
ゴスペルやソウルの影響を感じさせる曲で、コーラスの力強さが印象的。バンドの幅広い音楽性が感じられるナンバーで、ポップロックの中にも深みを持った楽曲だ。 - Runaway
デル・シャノンの名曲「Runaway」のカバーで、The McCoysはこのクラシックに独自のポップなエッジを加えている。軽快なビートとキャッチーなメロディが、オリジナルを尊重しながらも新たな魅力を生み出している。 - Ko-Ko
インストゥルメンタルのトラックで、エネルギッシュなギターとリズムが主役となっている。シンプルな構成ながらも、The McCoysの技術的な面が強調されており、バンドの音楽的な多様性が感じられる。
アルバム総評:
『You Make Me Feel So Good』は、The McCoysのエネルギーとポップセンスが際立つ作品であり、ガレージロックとブルーアイドソウルの要素が絶妙に融合している。前作『Hang On Sloopy』の勢いを保ちながらも、より洗練されたアレンジとポップなメロディが加わり、彼らの音楽的な成長を感じさせる一枚だ。キャッチーなタイトル曲や「Drive My Car」のようなカバー曲を通じて、バンドの幅広い音楽性が楽しめる。全体的にシンプルで親しみやすいサウンドが特徴で、60年代のポップロックシーンの雰囲気を色濃く反映したアルバムとなっている。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚:
- The Early Beatles by The Beatles
初期ビートルズの軽快なロックンロールとポップの融合が楽しめるアルバム。The McCoysのポップセンスと通じる部分が多い。 - The Best of Herman’s Hermits by Herman’s Hermits
60年代のポップロックを代表するバンドで、キャッチーで親しみやすいサウンドが魅力。The McCoysの軽快な雰囲気と共通する部分がある。 - Having a Rave Up by The Yardbirds
ブルースとロックの要素が融合したアルバムで、ギターリフとエネルギッシュなパフォーマンスが楽しめる。The McCoysのエネルギーを感じるリスナーにおすすめ。 - Twist and Shout by The Isley Brothers
R&Bとソウルの影響を受けた名盤で、ポップな要素とダンサブルなリズムが楽しめる。The McCoysのソウルフルな側面を好むリスナーにぴったり。 - Boom by The Sonics
ガレージロックの名盤で、エネルギッシュなサウンドと荒削りなパフォーマンスが特徴。The McCoysのラフなロックサウンドが好きな人におすすめ。
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