発売日: 2017年6月23日
ジャンル: サイケデリック・ポップ, インディー・ロック, ジャズ・ポップ
Crumbの2枚目のEP、Locketは、2017年にリリースされ、バンドが独自のサイケデリックでドリーミーなサウンドをさらに洗練させた作品である。この作品は、ファンクやジャズ、サイケデリックロックの要素を融合させながらも、リラ・ラミーニックの柔らかなボーカルと浮遊感のある楽器アレンジで、聴く者を幻想的な世界へと導く。Locketは、前作Crumbで見せた幻想的な雰囲気を引き継ぎつつ、よりリッチな音作りと感情豊かなリリックが特徴で、バンドの成長を感じさせる。
各楽曲には、日常の憂鬱や心の内側に潜む感情が巧みに表現され、ミニマルでありながらも多層的なサウンドが、リスナーに寄り添うように流れていく。このEPはわずか4曲の短い作品ながら、独自の音楽的世界観が詰まっており、聴くたびに新しい発見がある。
曲ごとの解説
1. Plants
スローテンポで始まるこの曲は、リズムの揺らぎと淡々としたギターリフが特徴的で、リラのボーカルが柔らかく響く。植物にたとえて感情の成長や変化を描写し、日常の中に潜む感情の変化を感じさせる。浮遊感のあるサウンドが、リスナーをリラックスさせ、どこかノスタルジックな気持ちにさせる一曲だ。
2. Recently Played
ジャズの影響が色濃く出たこの曲は、ベースラインがリズミカルで、緩やかなテンポと心地よいメロディが印象的。歌詞には過去の思い出や懐かしさが込められており、リラのボーカルが優しく、繊細に歌い上げる。ギターのエフェクトが絶妙にかかり、ノスタルジックでメランコリックな雰囲気が漂う。
3. Locket
EPのタイトル曲であり、Crumbの代表的な曲の一つ。繰り返されるベースラインとゆったりとしたリズムが、まるで時が止まったかのような感覚をもたらす。歌詞には失われた関係への思いが込められており、「Locket（ロケット）」というタイトルが象徴するように、大切な記憶を閉じ込めたまま時が経過する感覚が表現されている。リラのボーカルが切なく響き、リスナーに深い余韻を残す。
4. Thirty-Nine
ファンキーなベースとリズムセクションが曲を支え、サイケデリックなギターとともに軽快なテンポで進む一曲。リズミカルでありながらもどこか夢見心地な雰囲気が特徴的で、Crumbならではのリラックスしたサウンドが心地よい。ラミーニックのボーカルが楽器と溶け合い、聴き手を漂わせるような効果を生んでいる。
アルバム総評
Locketは、Crumbの持つサイケデリックでジャズの影響を感じさせるサウンドを一層進化させた作品で、バンドの音楽的な可能性を広げる一枚となっている。リラ・ラミーニックの穏やかなボーカルがメランコリックでありながらも優しく、リスナーの心に響く。アルバムの全体を通して、シンプルでミニマルなアレンジが、日常の中に潜む感情を引き出しており、聴くたびに新しい感覚を味わえる。夢幻的で、ノスタルジックな気持ちにさせるこのEPは、Crumbの音楽的な世界観を深めた作品として、多くのリスナーに愛される一枚だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
- Mild High Club by Skiptracing
サイケデリックとジャズポップが融合したアルバムで、幻想的な雰囲気がLocketと共通。リラックスしたリズムと、心地よいメロディが魅力。
- Waltz by HOMESHAKE
ミニマルでゆったりとしたサウンドが特徴の作品。ノスタルジックな歌詞とドリーミーなサウンドが、Crumbのファンにも響くだろう。
- Amanaz by Africa
サイケデリックロックとファンクの融合が特徴のアルバムで、Crumbのファンにとっても新鮮なサウンドが楽しめる。
- What’s the Use? by Mac DeMarco
ドリーミーでメランコリックなサウンドが、CrumbのLocketと共鳴する一枚。リラックスできるムードが魅力的。
- 2 by Connan Mockasin
独自のサイケデリックなサウンドと、幻想的な雰囲気がLocketと似ている。ジャズポップとインディーの要素がミックスされている。
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