発売日: 1993年5月18日
ジャンル: ポップ、R&B、ニュージャックスウィング、ソウル、ヒップホップ
『janet.』は、Janet Jacksonの5枚目のスタジオアルバムであり、彼女のアーティストとしての成熟を象徴する作品だ。このアルバムでは、前作『Rhythm Nation 1814』の社会的テーマから個人的なテーマにシフトし、愛、セクシュアリティ、自立を探求している。タイトルに苗字を省略した「janet.」を採用したことは、彼女自身のアイデンティティを強調し、ジャクソン一家の一員としてではなく、アーティストとしての個性を前面に押し出す意思を表している。
このアルバムは、洗練されたR&Bサウンドとソウルフルなバラード、セクシーな雰囲気を持つトラックが融合し、Janetのボーカルと感情表現を際立たせている。商業的にも大成功を収め、全米アルバムチャートで1位を獲得し、全世界で2000万枚以上を売り上げた。
以下、各トラックの詳細を解説する。
1. Morning
短いインタールードで、アルバムの序章としての役割を果たす。
2. That’s the Way Love Goes
アルバムのリードシングルで、ミッドテンポのR&Bトラック。セクシーでリラックスした雰囲気が特徴で、Janetのキャリアを代表する楽曲の一つ。
3. You Know…
次のトラック「You Want This」へスムーズにつなぐインタールード。
4. You Want This
力強いビートとキャッチーなメロディが特徴のアップテンポな楽曲。自信に満ちた歌詞が印象的。
5. Be a Good Boy
短いインタールードで、次の「If」へと繋がる。
6. If
エネルギッシュでダンサブルなニュージャックスウィングトラック。セクシュアルなテーマを扱い、力強い歌詞が際立つ。
7. Back
静かでムーディーなインタールード。
8. This Time (feat. Kathleen Battle)
オペラ歌手Kathleen Battleとの共演による異色のトラック。クラシック音楽とR&Bを融合させたドラマチックな楽曲。
9. Go on Miss Janet
遊び心のある短いインタールード。
10. Throb
ハウスミュージックの影響を受けたクラブ向けの楽曲。セクシーでエネルギッシュなビートが特徴。
11. What’ll I Do
繊細で感情的なバラード。Janetの優しい歌声が楽曲を引き立てる。
12. The Lounge
短いインタールードで、次の「Funky Big Band」への流れを作る。
13. Funky Big Band
ジャズの要素を取り入れた楽しいトラック。軽快なリズムと遊び心のあるアレンジが魅力。
14. Racism
次の「New Agenda」への重要な導入となるインタールード。
15. New Agenda (feat. Chuck D)
Public EnemyのChuck Dをフィーチャーしたトラックで、人種差別やジェンダーの問題をテーマにしている。力強いメッセージとビートが印象的。
16. Love Part 2
短いインタールード。
17. Because of Love
ポップで明るいラブソング。キャッチーなメロディと前向きな雰囲気が心地よい。
18. Wind
感情的で静かなインタールード。
19. Again
アカデミー賞にノミネートされたバラードで、アルバムの中でも特に感動的な一曲。Janetの柔らかなボーカルが楽曲を引き立てる。
20. Another Lover
切ないラブソング。シンプルなアレンジがJanetのボーカルを際立たせる。
21. Where Are You Now
静かで繊細なバラードで、愛の不在をテーマにしている。
22. Hold on Baby
短いインタールードで次への流れを作る。
23. The Body That Loves You
セクシュアルでムーディーな楽曲。ゆったりとしたビートが心地よい。
24. Rain
アルバムの後半を締めくくる静かなインタールード。
25. Any Time, Any Place
セクシュアルでロマンティックなスローバラード。感情的で美しい雰囲気が漂う。
26. Are You Still Up
短いインタールード。
27. Sweet Dreams
アルバムの締めくくりとして、穏やかで静かなトラック。
アルバム総評
『janet.』は、Janet Jacksonがアーティストとしての成長と自己探求を示した作品であり、感情的でセクシュアルなテーマを探求する一方で、リスナーに強い共感を与えるメッセージが込められている。R&B、ニュージャックスウィング、ソウル、さらにはハウスやクラシックの要素を取り入れることで、音楽的な幅広さが際立つ。
特に「That’s the Way Love Goes」や「Again」といった楽曲は、彼女のキャリアを象徴する名曲として広く知られており、アルバム全体を通じて一貫したテーマ性が感じられる。『janet.』は、彼女のアーティストとしての個性と音楽的な実験が高く評価される傑作だ。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Mariah Carey – Butterfly
感情的でセクシュアルなテーマを探求した作品で、『janet.』に近い魅力がある。
TLC – CrazySexyCool
ニュージャックスウィングやR&Bの要素が、『janet.』と調和する。
Madonna – Bedtime Stories
セクシュアリティと感情をテーマにしたアルバムで、Janetの作品に通じる。
Prince – Love Symbol Album
ジャンルを超えた音楽的実験とセクシーな雰囲気が、『janet.』と共鳴する。
Whitney Houston – My Love Is Your Love
感情的なバラードとモダンなR&Bが、『janet.』を愛するリスナーに響く。
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