発売日: 2021年3月19日
ジャンル: ポップ、R&B、エレクトロポップ
Justiceは、Justin Bieberがさらなる音楽的成長と新たなメッセージを込めたアルバムであり、ポップとR&B、エレクトロポップを巧みに融合したサウンドが特徴の作品である。Bieberのこれまでのキャリアの集大成といえる一枚であり、愛や信仰、人間関係といったテーマに加え、社会正義への関心も反映されている点が特徴的だ。本作では、プロデューサーとしてThe Monsters & StrangerzやSkrillex、Tainyなど多彩なメンバーが参加しており、現代的かつ洗練されたサウンドがアルバム全体を包んでいる。
アルバムのタイトル「Justice」には、Bieberの個人的な幸福の追求だけでなく、リスナーと共に希望と愛を共有することで世界に「正義」をもたらすという意味が込められている。社会問題への意識を示すスピーチを組み込んだインタールードも登場し、メッセージ性の強い構成が際立っている。
トラックごとの解説
1. 2 Much
アルバムのオープニングを飾るこのトラックは、愛する人に対する感謝と「今を大切にする」思いを歌っている。ピアノのシンプルなイントロとBieberの感情豊かなボーカルが、冒頭からリスナーを引き込む。
2. Deserve You
エレクトロポップ調のアップテンポな楽曲で、自己の不完全さを感じながらも愛を求めるBieberの気持ちが表現されている。シンセサウンドが美しく、ポップで軽快なリズムが心地よい。
3. As I Am (feat. Khalid)
Khalidとのコラボレーションで、恋愛における誠実さと相手を思いやる気持ちがテーマの楽曲。お互いに支え合う関係を描いた歌詞が感動的で、二人のボーカルが見事に調和している。
4. Off My Face
アコースティックギターを主体としたバラードで、愛する人に夢中になる気持ちが表現されている。柔らかく温かみのあるサウンドが、Bieberの優しいボーカルを引き立てる。
5. Holy (feat. Chance the Rapper)
リリース当初からヒットした一曲で、愛と信仰をテーマに、恋愛と信仰心の交わりが歌われている。Chance the RapperのラップとBieberのボーカルが織りなす力強いメッセージが心に響く。
6. Unstable (feat. The Kid LAROI)
The Kid LAROIとのコラボレーションで、不安定な心を支えてくれるパートナーへの感謝が表現されている。エモーショナルな歌詞とBieberの切実なボーカルが印象的な楽曲。
7. MLK Interlude
アルバムの途中で挿入されたMartin Luther King Jr.のスピーチの一部で、愛と正義、信仰についてのメッセージが込められている。アルバム全体のテーマを強調し、Bieberの「Justice」への思いが伺える。
8. Die for You (feat. Dominic Fike)
ドミニク・ファイクをフィーチャーしたエレクトロポップ調のトラックで、情熱的な愛をテーマにしている。リズム感とメロディがキャッチーで、二人の声の相性も抜群だ。
9. Hold On
リードシングルの一つで、逆境の中でも希望を持ち続けることの大切さを歌った力強い楽曲。疾走感のあるビートが爽快で、メッセージ性とポップさを兼ね備えた一曲。
10. Somebody
明るいポップビートと力強いメッセージが印象的な曲で、困難な時に支えてくれる「誰か」の存在の大切さを歌っている。ダンスフロアで映えるサウンドが特徴で、アルバムの中でも特にキャッチーなトラック。
11. Ghost
失った人への思いを綴った切ない楽曲で、悲しみと希望が入り交じる歌詞が特徴。Bieberの感情的なボーカルが、喪失の痛みと前向きな姿勢を美しく表現している。
12. Peaches (feat. Daniel Caesar & Giveon)
軽やかなR&Bのリズムが特徴で、愛と幸せに満ちた日常を歌うこの曲は、Daniel CaesarとGiveonを迎えた魅力的なコラボレーションが実現した。のびやかで甘いサウンドが耳に心地よく、2021年のヒット曲となった。
13. Love You Different (feat. BEAM)
エキゾチックなビートが特徴的で、恋愛のユニークさや相手を尊重する気持ちが表現されている。BEAMとのコラボで生まれるリズム感が新鮮。
14. Loved by You (feat. Burna Boy)
アフリカのサウンドを取り入れたこの曲は、恋愛における葛藤と自己肯定感について歌っている。Burna Boyとの掛け合いが楽曲に異国情緒を加え、聴きごたえがある。
15. Anyone
バラード調のトラックで、愛する人への献身的な思いを歌った感動的な一曲。サビの力強いメロディが印象的で、Bieberのボーカルが聴く者の心に響く。
16. Lonely (with Benny Blanco)
Bieberが直面してきた孤独とプレッシャーについて赤裸々に歌うバラードで、Benny Blancoのシンプルなピアノ伴奏が、Bieberの感情を際立たせている。彼の心の苦悩と、それを乗り越えようとする強い意志が感じられる。
アルバム総評
Justiceは、Justin Bieberが成熟したアーティストとしての自分を再確立し、社会へのメッセージを込めたアルバムである。アルバム全体を通して、愛と人間関係、信仰といったテーマに焦点が当てられており、ポップでありながらも深みのある内容となっている。プロデューサー陣による洗練されたエレクトロポップやR&Bのサウンドが、Bieberのボーカルを最大限に引き立てている。
また、Bieberは「正義」をテーマに、愛や自己肯定のメッセージをリスナーに伝えようとし、Martin Luther King Jr.のスピーチを引用するなど、深いテーマを扱う試みがなされている。Justiceは、Bieberが音楽を通して新しいメッセージを伝え、アーティストとしてさらなる成長を遂げたことを証明する一枚である。
このアルバムが好きな人におすすめの5枚
Positions by Ariana Grande
ポップとR&Bを融合し、愛と自己肯定をテーマにしたアルバムで、BieberのJusticeと共通点が多い。
After Hours by The Weeknd
深い感情とポップサウンドが融合したアルバムで、エモーショナルな内容が好きなリスナーにおすすめ。
Free Spirit by Khalid
ポップでリラックスしたR&Bのサウンドが特徴で、愛や成長についてのテーマが共通する。
Fine Line by Harry Styles
ポップとロックの要素が詰まったアルバムで、Bieberの音楽と同じく感情的な深みが楽しめる。
Future Nostalgia by Dua Lipa
ダンサブルでありながらメッセージ性のあるアルバムで、エレクトロポップ好きなリスナーにおすすめ。
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